
夫婦東南アジア旅Day.21
今日も昨日に引き続きアンコール遺跡をまわります。

今回訪れた遺跡が本当に息を呑むような絶景続きの場所で、ブログに載せて皆さんとシェアしたい写真がとても沢山になってしまいました。
これでも厳選したのですが、今回の写真枚数が多くなりますので、どうぞギャラリー感覚でお楽しみください。
また、遺跡探検へ出かける際の注意点や持ち物等も載せておきますので、よかったら参考にしてみて下さい。
屋台の焼きバナナと芋のパンケーキで朝ごはん

さて、今朝は朝ごはんを求めて地元民で賑わう市場「Phsar Leu Thom Tmey」へとやってきました。
賑わうマーケットの中で私たちの興味を引いたのは、こちらの屋台の焼きバナナと芋のパンケーキ。

炭火の香ばしく、そしてほのかに甘い、何ともいい香りが漂ってきます。

おじちゃん達もみんな優しい素敵な人たちで、英語は通じなかったのですが、笑顔とジャスチャーでとても気持ちの良いコミュニケーションをとってくれました。
バナナはかなりもっちりしていてほのかに甘い。
芋のパンケーキも素朴な甘さと優しい味で、スナックに丁度いい感じでした。
カンボジアの大自然の中をドライブ

さあ、おじちゃん達とバナナに元気をもらったところで、今日は少し長めのドライブです。
森の奥深くに眠る太古の遺跡”ベンメリア”へ行くために、市街地から約60km北東へ、バイクで片道およそ1時間半の旅が始まります。

それにしてもカンボジアの田舎道はこの上なく気持ちが良いです。
赤土の色に、青い空と鮮やかな緑を揺らす雨季の木々達がよく映えます。

カンボジアの田舎道を走っていると、かなりの確率で色々な動物達に遭遇します。

車道の真ん中で全く避ける気もなく昼寝を決め込むわんちゃん。
平和です。

カンボジアの民家も絵になります。
どのお家も、一階はガレージの様な作りになっていて、そこでハンモックに揺られたり、火を起こして食事の準備をしたりしている人たちをよく見かけます。
雨季の洪水対策でしょうか?

とても良い色合いだ。

こっちにも牛さんが。

青空の下、まっすぐ伸びる道が気持ちいい。

このお家は工事中の様です。
この猛暑の中、レンガを一つ一つ手で積み上げていく職人さん達。
本当にお疲れ様です。

はぁ、いいお天気だなあ、
なんてぼんやり景色を眺めていると、あっという間にすぎていく1時間半。

ただ、所々舗装されていない道もあり、かなり砂埃が襲いかかってくるので、バイクでドライブする場合、サングラスは必須です。
“地上のラピュタ”神秘の遺跡ベンメリア

このベンメリア、実はアンコールワットよりも古い遺跡なのです。
1432年にクメール王朝が滅んでからずっと密林の奥で眠りつづけ、1860年にフランスの植物学者アンリ・ムオによって遺跡の一部が発見されたことにより、再びこの世に戻ってきたまさに神秘の遺跡です。

私たちは1時間半のドライブの末、ベンメリア入り口へ辿り着きました。
入り口には車もバイクもトゥクトゥクの姿もないので、私たちの他には誰もいなさそうです。
入り口のおじさんに、アンコールパスを見せて入場します。

これはちょっと面白かったので記録にとシャッターを切った一枚。
ゴミ箱として利用しているようで、同じ入れ物をいくつも見かけました。
ちょっとオシャレじゃないですか?

奥へ進んでいくとまず姿を現したのが、この崩れ落ちた遺跡の姿。
崩れやすくなっているのか、登らないでねと看板があります。

これは想像を絶する、全くの別世界です。
崩れ落ちた苔むす瓦礫の山と、その隙間から大きく伸びて行くガジュマルの木々。
初見からもうすでに圧倒されました。

あまりの広大さにどこから見てまわって良いものか・・・
とにかく周りからぐるっと見て歩くことにします。

このベンメリア、何という素晴らしい体験でしょう。
まるでインディ・ジョーンズにでもなったかの様な気分です。
ジャングルの奥深くに眠る古代遺跡、未開の地を探検していくような、そんなわくわくとスリルがあります。

なぜこの場所が他の遺跡に比べてこんなにも退廃してしまっているのかというと、それにはカンボジアの内戦〜ポル・ポト政権による長い闇の時代に関係しています。
実は遺跡自体は発見されていたものの、遺跡内には内戦時代の地雷が数多く残されており、誰も足を踏み入れる事ができなかったと。
地雷の撤去が終わったのは2001年。

今では観光地として多くの人々が訪れていますが、他の遺跡に比べ、人の手の介入がだいぶ遅くなったため、退廃が進んでしまった様です。

しかし、だからこその、この不思議な空間。
人の手が入っていないからこそ、神秘的な世界がここにはあります。
瓦礫の上は苔むし、そこから植物が根を張り、芽を伸ばし、瓦礫を覆って成長して行く。
まるでこの空間だけ時間が止まっているかの様な静寂があります。

足だけ残ったシンハ。
シンハも苔に覆われて、森と一体化しています。

この青々とした苔。
水々しい命の色。
これは一年を通してもこの時期、雨季にしか見られない美しい世界です。

タ・プローム遺跡の世界観も良かったのですが、私たちはここへ来て圧倒されてしまいました。
ベンメリアは別格です。

枝を伸ばしこの空間を飲み込んで行く大樹達の中を歩いていく様は、まるでジャングル探検です。

王朝が崩壊した後、人々から忘れ去られた遺跡。
長い長い年月の中で、苔むし、植物が芽を出し、木々は成長し、そして遺跡を飲み込んで行った。
実はこの遺跡が崩れているのは、内戦や自然災害の影響などではなく、この自然の力によって侵食され、崩れ落ちたと言うから驚きです。

遺跡観光、というものを超えて、自然の脅威、そして説明しきれない神秘を目の当たりにする。
そんな場所です。

この子達も恒例の写真撮影。

崩れた遺跡の中、ひっそりと、立派な大樹の足元に、仏陀が祀ってある姿はとても印象的です。

崩れた先から、どんどん芽を出す緑の命達。
人の手が入らなければ、数十年後はもうすっかりと森の中に飲み込まれてしまいそうです。
そして個人的には、そんな姿も見てみたいな・・・と思ってしまいます。

森なのか、遺跡なのか。
文明が自然に飲み込まれて行く。

この場所こそが、地上のラピュタです。

この大いなるものを目の前に、写真を撮る手が、止まりません。
雨季にしか見られない美しい光景

見て下さい、この美しい空間を。
雨季の影響で大きな水たまりができ、まるで神話に登場する水の都ような光景です。

乾季には見られない景色でしょう。
雨季の雨を浴びて、植物達は嬉しそうに、一層青々と、光の中で葉を揺らします。

青々と生い茂る森が、より一層この遺跡を神秘的なものにするこの季節。
ベンメリアへ来るなら、是非雨季をお勧めします。

こんな景色、見た事ありますか?
ラピュタやインディ・ジョーンズのような世界が、まさに目の前に広がっています。

石を渡って、この水の都を探検です。

あらゆる場所で大きく根を張り、枝を伸ばすガジュマル達。

何という生命力。

ただただひたすらに、静かな空気が漂っています。
真っ暗な回廊

わずかな光しか差し込まない、真っ暗な回廊がありました。
入り口も瓦礫で覆われかけています。

中は少しひんやり。
内部は割と綺麗な状態で残っています。

まるでこの空間だけ昔のまま、時間が止まっている様です。
絶景・森の遺跡を上から眺める

遺跡の中央エリアは、観光客用に通路が整備されているので、木の通路を歩きながら、遺跡の全体を見渡す事ができます。

外側から探検していた私たちは、探検の後半になってこの通路を発見。
ここからは、また違った景色が楽しめます。

ジャングルの中を歩いているような雰囲気があります。

これは圧巻。
どこか現実離れした光景に、まるで違う惑星に迷い込んでしまったかの様な感覚に陥ります。

本来生き物の持つ、生命力の強さを感じずにはいられません。

遺跡の中央部のこの景色。
この興奮と感動を言い表す言葉は見つかりません。
鳥肌が立つほど美しいです。

実はこのベンメリア、アンコール・ワットと同じくらいの大きさがあるのではないかと言われているそうです。
環濠は何と周囲が約4kmを超えると言われており、容易にイメージできないほどのスケールです。

12世紀中頃に建てられたベンメリア。
当時の人々は一体どうやってこんなにも巨大な建物を作ったのでしょう。

まるで物語の世界に迷い込んだかのようなこの遺跡を夢中で探検し、気づけば3時間が経過していました。
迷路のようなこの遺跡、一体自分たちが何処を見て何処を見ていないのかさえも分からないため、確実に全部は回りきれなかったでしょう。
これは半日滞在しても見切れないほどの魅力とスケールです。

幸運にも、コロナの影響で結局すれ違った観光客は1組だけ。
警備員らしき人もおらず、本当に自由に遺跡を歩いて回れました。
こんな状況でなかったら有り得ない事だと思います。

こんな場所がこの地球に本当存在しているんだ・・
そんな気持ちになるような空間。

遺跡の周りには見事な蓮池もありました。
ベンメリアは本来、ベン(池)メリア(蓮の花)。つまり蓮の池という意味だそうです。

帰る前にもう一度正面の入り口から写真を。

後ろ髪を引かれる思いで、この子達も最後にもう一枚。
ベンメリアの注意点

今でこそ観光地として有名なベンメリア遺跡ですが、実はこの場所に人が足を踏み入れることが可能になったのは2001年以降です。
それ以前は、内戦時代に埋められた地雷がまだ遺跡付近に残っていたため、一般客が立ち入ることができませんでした。
ベンメリア周辺の地雷撤去は完了しておりますが、あまり道から離れて奥へ行くと、まだ残留地雷が残っているという話を聞きます。
残留地雷を警告する赤い看板を見かけたら、絶対に近寄らない様にしましょう。

また、東南アジアの気候は高温多湿。
カンボジアも例に漏れずかなりの猛暑です。
広い遺跡の中は、日陰のない場所もあります。
ついつい遺跡探索に熱中していると飲み物を飲む事を忘れがちになってしまいますが、こまめな水分補給を忘れずに。

飲み物、帽子、サングラス、日焼け止め、そして雨季の場合は突然のスコールに備えてカッパを持ち歩こことをお勧めします。
雨宿りできる様な場所が見つからない場合も多々あります・・・
また、私は暑さに備えてベトナムで購入した扇子をずっと持ち歩いていました。
折りたためてコンパクトに持ち運べますし、東南アジア旅中、私は使いまくっていました。

後は、歩きやすい靴と動きやすい服装で!
是非、遺跡探検を存分に堪能して下さい。
赤土の道を走る。カンボジアの原風景。

帰りも田舎道をバイクで帰ろう。
カラッと晴れた青い空に、湿って色鮮やかに映える赤土。

この色合いこそが、カンボジア。

うん、とても良い。

カンボジアの原風景。
優しくて、明るくて、穏やかで、草木と土の匂いがする。
さあ、街まで帰ろう。
旅のスケッチ

ベンメリア遺跡

良いなあ、カンボジア
“夫婦東南アジア旅Day.21🇰🇭前編〜地上のラピュタ!カンボジアの忘れ去られた古代遺跡”ベンメリア”を探検する、神秘体験〜” への 1 件のフィードバック